佐藤克巳

東京のえくぼの佐藤克巳のレビュー・感想・評価

東京のえくぼ(1952年製作の映画)
4.0
のちに社長シリーズや8.15シリーズで名匠振りを発揮する松林宗恵監督の実質デヴュー作乍ら、爽やかな東京の息吹を感じるキャプラ調喜劇の佳作に仕上がった。丹阿谷多津子の財布をすったスリ犯と疑われた上原謙は、実は勤めたばかりの会社の社長だった。専務古川ロッパから秘書に抜擢された丹阿弥は、めくら判と過密スケジュールに嫌気し不満の日々を過ごす上原を見兼ね、会社を逃亡をさせ自宅に下宿させる。世間を知らない上原は社会体験を経て自分の立場を理解し、社員を信用する大切さを学び、漸く社に戻り、めくら判をつく事に励む。併せて、丹阿弥の父柳家金語楼他の家族愛に触れた上原はプロポーズの書類提示し、丹阿弥は迷わずめくら判をついた。
佐藤克巳

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