emily

苦役列車のemilyのレビュー・感想・評価

苦役列車(2012年製作の映画)
3.4
時は1987年中卒で日雇い労働者19歳の北町貫多は、友達も恋人もいない、何もないその日暮らしの男が、職場で専門学生の日下部正二に出会い、一目ぼれの古本屋でバイトする桜井康子とも徐々に距離が縮まっていく。

北町貫多を演じる森山未来の演技が素晴らしい。どうしようもないダメ人間、正直こんな人とはかかわりたくないって思える、心底ダメ人間を等身大で演じている。もちろん日雇いでその日暮らしをしているのには、悲しい過去があり中卒の理由も明らかになるのですが、それでも全く愛すことのでできないクズっぷりが見事。

一旦は日下部正二に出会い、桜井康子と友達関係にまでもっていけたり、仕事でも出世できて倉庫番になったりするんだけど、所詮クズはクズ・・すぐに元の生活に戻ってしまいます。その徹底ぶりが気持ちいい。

甘いを知ってしまうと、一人が怖いし、孤独はさみしくなる。でも何もなければそれはそれで幸せだったりする。人とつながれそうで、結局自分でそれを壊してしまう感じはなんとなくわかる。

何もないから、怖い物がない。
ある意味最強!!

前田敦子って本当いつも役に恵まれてるなぁ~
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