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ハプニング・ゼロ 〜人間消失〜のslowのレビュー・感想・評価

3.4
「自分」とは何か。
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自分そっくりの人間に殺される
恐怖を描いたサスペンスホラー★

世界規模で描いた話じゃなくて、
「主人公の周りのみ」を限定にした
奇妙かつ不気味な話。

・次々と殺される友人。
・"ある記憶"が抜けた主人公。
・殺された人の体内にあった謎の金属。

↑などのネタは興味をそそられるが、
本編は悪夢の中にいるようで、
閉塞感と不快感を誘発する75分でした…

ただ、内容はそんなに悪くはない。
サイバーパンク要素もあり、
「この世界はニセモノではないか?」
という疑念が頭の中に終始こびりつくような
シュミレーテッドリアリティも扱った
極めて堅実なSFサスペンス物であるからだ。

この独特な作風が嫌な人には嫌だろうし、
「これはなかなかイイ!」と喜ぶ者も
きっといるだろう。

本作の原題は"ARTEFACTS=工芸品"であり,
深い意味とメッセージを備えてるが、
邦題が「ザ・賛否両論」で定評のある
シャマラン作品に寄せてるため、
この作風が好きな層が本作を手にするまで
壁を何十枚も取っ払わなければ
なかなか届かないと思う…。

私は暗い作風がしんどくてつい、
"ながら見"になってしまったけど、
『ダークシティ』と共通する部分があるので,
なかなか嫌いになれない作品でした!

もっと多くの人に見てほしいと思う。
そしていつか「サイバーパンク」のように
この奇妙なジャンルに
名前が付けられる時代が来る事を信じたい…!
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