竜平

ロッキー5/最後のドラマの竜平のレビュー・感想・評価

ロッキー5/最後のドラマ(1990年製作の映画)
3.7
シリーズ第5作目、にして一応の完結編。前作のモスクワでの試合後、降りかかる厄介な問題などからロッキーは引退を決意、故郷フィラデルフィアへ戻ることに、というところから始まる話。

「スタローン=ロッキー」と言っても過言ではないほど、5作目ともなると登場するや否や人物のすんなり入っていけちゃうの、俺だけじゃないよね。更にタリア・シャイア演じる「エイドリアン」とバート・ヤング演じる「ポーリー」にも、安心感すらある。そんなこんなで今作は前作で少し薄くなってしまったドラマ性を再び復活させた印象。フィラデルフィアに帰郷するロッキー、そこでの家族との話、とくに息子との関係性に焦点を当てつつ、自身の苦悩や金絡みのプロモーターとの問題、更にロッキーに憧れてるという若者が登場してきたりと話題が結構目白押し。息子役が前作からだいぶ成長したなーとか思ったらそもそもキャストが代わってた、てか今作でその息子を演じてるのは実際のスタローンの息子セイジ・スタローンだという、これは後で調べて知った事実、とまぁ関係ない話は置いといて。ロッキーって人間関係に於いて大事なとこがたまに抜けちゃうというか、じつは1作目からあった性格も今作でまた思い出したりして。その時からある、かつてのマネージャーで師でもあった「ミッキー」との過去もいいスパイスになってる。で大事なところでやっぱり必要不可欠なエイドリアンの存在、これもグッド。

監督が1作目のジョン・G・アヴィルドセンだったという、これも見終わってから知る。人間ドラマの厚さ、内面というものを色濃く情緒豊かに映し出すあたりは彼の手腕なのかな。世間の評価はあんまり高くないみたいだけども、内容にちょい薄さの目立った前作よりか俺はこっちのほうが俄然好き。ストーリーの中での煮え切らない部分もラストの展開がちゃんとスッキリさせてくれるし、まぁ若干「力技」ではあるけど、正規の試合では成し得ない決着のつけ方になってるのも良き。そんなこんなで5作目にしてまたしても見入ってしまった。無理矢理製作したと言えばそれまでだけど、蛇足でないちゃんとした続編になってると思うよん。ロッキーの人生ここにあり。
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