チッコーネ

サイコティックのチッコーネのレビュー・感想・評価

サイコティック(1974年製作の映画)
2.7
ユーロトラッシュかソフトコアかという脚本。
リズが主演でなければ演出はもっと扇情的になっていたはずだが、かつてハリウッドのトップに君臨した彼女にしては、充分すぎるほど汚れてくれている。
もともと彼女は脚本選びが果敢だったし、元旦那がイギリス人だったこともあって、欧州作品出演への心理的ハードルは低かったのだろう。
とは言えボサボサ頭+マルチカラーのドレス姿は、『別離』の頃よりグロテスク。
本作出演時はまだ40代前半だが、先輩にあたるベティ・デイヴィスが歩んだユーロ・ホラー客演の道を追従中、といった趣だった(そしてアルピノ風謎の男がウォーホールと知り、驚き)。

なんとなく心理学…という脚本、デパートの場面あたりまではシュールで面白いが、終盤のたったひと山まで、引き延ばし過ぎ。
どうせなら、なんだかヤバそうなヒロインの過去を掘り返してほしかった。