冒頭のクレジットの「これは一体何の音?」みたいなBGMからはじまって、クラシックありオペラありシンセありで音楽の使い方がなかなか酔狂。イングリット・カーフェンの「上海」はすばらしく、「山頂オペラ」は、思わず「お前が歌うんかーい」だった(こちらを先に観てしまったので、ペーター・ケルン歌える人だとは知らず)。
椿姫かと思ったらボヴァリー夫人?からのラストの夕日バックは悪魔のいけにえ。
ツッコミどころ満載ながら、B級ホラーぎりぎり手前で踏みとどまっているのは、常につきまとう死の影(ていうか死の自由自在さがすごい)とエロティシズムがなんともいえない妖艶さを醸し出しているせいか。お金持ちおぼっちゃまの「ゆきて帰りし物語」は、狂気に満ちていて総じて好みだった。