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花嫁人形のnagashingのレビュー・感想・評価

花嫁人形(1919年製作の映画)
3.5
お手製の粗雑な美術が生むおおらかなリアリズムに、道楽貴族や生臭坊主の極端なカリカチュアと、人間が人間そっくりの精巧な人形のふりをするという荒唐無稽なシチュエーションとがぴたりと調和したルビッチ初期の佳作。冒頭の日光の異常な乾燥力からしてもう最高におかしい。こんにちのコントの雛型ともいうべき王道のスタイルにこころよく笑いつつも、その安心感を突き放す過剰なテンションとめまぐるしさにはくらくらしてしまう。キュートでありながらパワフル、類型的でありながらことごとく類型を逸脱していくような凄みがある。
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