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カフカの「城」の655321のレビュー・感想・評価

カフカの「城」(1997年製作の映画)
2.8
タイトル通りあのカフカの『城』をハネケが監督した作品。

もうこの組み合わせの二人の名を見ただけで膝が笑っていましたが、なんかイケそうな気がしたので観ました。
イケませんでした。
今日は回転寿司30皿くらい食べられそうな気がする!って日ありますよね。あれでした。多分実際に食べられる日は来ない。

苦しみながら30皿を目指して食べてると途中でアホらしくなってきます。食事ってそういう事じゃないよね?と。
『城』も、そもそもは主人公Kが寒さに耐えかねて泊まるために「城に雇われた測量技師である」と自称したことが発端だ。
認められたこと自体はいいものの、のらりくらりとたらい回しにされ城に辿り着かない。
どうやったら城で測量技師である事を証明できるんだー!と右往左往する話。
目的を見失い、「城」というシステムに組み込まれてしまうK。

いつの間にやら職業がKを証明するものとなり、あたかも肩書きが存在証明かのような状況に陥る。
“領地に存在しているのはKが測量技師だから”が“Kは測量技師だから存在している”という逆転現象が起こってしまった時、もはや人はこの迷宮で彷徨う行為に躍起になるしかないのだろう。
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