ゾンビになってしまったカップルの末路を文学的に描いた変わり種のゾンビ映画。
主人公とヒロインがゾンビになってしまい未来が立たれた絶望感や身体が腐って満たされない飢えに侵される苦しみが描かれていくなど、心理描写に重点が置かれてたのは興味深かった。
また人肉を食べて生き残るのを決めた主人公とそれを良しとしないヒロインとの対立やそれでヒロインと決別してしまう主人公の後悔と言った描写もあり、主人公とヒロインの末路も悲劇的ながらしっくりくるもので好印象。
しかしそんな興味深い内容がしっかり描かれてるのは良いが、映画としての出来はハッキリ言って微妙。
超低予算なのはあのトランスワールドアソシエイツ配給だからしょうがないにしても、それ以外の所で問題まみれ。
まず、脚本があまりよろしくない、2人のドラマ自体は結構しっかりしてるのに、それをうまく生かしきれてない。
その結果全体的に無駄なシーンが多く、間延びしてる。(80分位の映画にも拘わらず!)
中盤でカップル2人が山の中を歩くシーンはかったるいし、特にラストは様々な展開が起こるものの正直蛇足感が否めない。
もう少し良い締めくくり方があったんじゃ…。
あと細かい所では2人の世界を描くのに没頭しすぎて、色々とおかしな所が出てくるのも残念だった。特に警察が話に関わってくるのが遅すぎるのはどうかと思った。
着眼点はかなり良かったのに残念ながらそれを上手く生かせなかった。
アイデアは本当に良いので勿体なく思えた。脚本を推敲してリメイクとか…無理ですかね。(無理)
まぁゾンビ映画が好きならば、何かしら得る物はあるとは思うので、気になる人はどうぞ。
別にオススメはしないけどね。