砂場

乳母車の砂場のレビュー・感想・評価

乳母車(1956年製作の映画)
4.0
芦川いずみの水着姿が、、、
少女漫画に出てきる人みたいだ、作画石ノ森章太郎的美少女
まずはあらすじから

ーーーあらすじーーー
■若い娘が自宅のプールで仲間と泳ぐ、広い庭の結構な金持ちの邸宅
男性が娘に、実は、、と切り出す。君のお父さんは若い女と浮気しているらしい
■娘ゆみ子(芦川いづみ)は母たま子(山根寿子)にその事を聞くと、母はとっくに知っていた。しかしジタバタしないと決めていた
そんな母を可哀想だと思いつつも不甲斐なく感じたゆみ子。母は父の愛人の自宅も知っており、ゆみ子に伝えた
ゆみ子は散々行くのを迷ったが意を決して愛人宅へ、愛人は不在で、その弟宗雄(石原裕次郎)がいた、自己紹介すると彼の姉の不倫相手の娘と知りながらも悪びれる風でもない
姉のとも子は、君のお父さんと真剣に愛し合ったんだ、そう話す男に呆れつつも、家に入ると赤ん坊がいた
赤ん坊のまり子、父は愛人と子供まで作っていたのだった
しかしゆみ子は赤ん坊を見ているうちに実の妹として愛おしく思えてきた。
■そこに父の愛人とも子(新珠三千代)が帰ってきた、互いに警戒するも
彼女のさっぱりした性格に、ゆみ子はひかれてゆく。宗雄は赤ん坊と散歩に出た。そこに通りかかったゆみ子、宗雄は昼寝をしていた。
衝動的に乳母車をおして立ち去る
■昼寝から起きた宗雄は赤ん坊がいないと青ざめる、周囲、交番に聞き回るがいない
家に帰ると姉がいた、なんと赤ん坊を抱いていた、ゆみ子が家に戻していたのだった、激怒する宗雄、君を許さない、しかしゆみ子は赤ん坊を実の妹として愛おしく思い衝動的に連れて帰ろうとしたのだった
■母たま子はついに別居を決意、姉の家に住むことに決めた
父次郎(宇野重吉)はなんとか引き止めようとしたが、当然父側に非があり何も言えない
母たま子タクシーで駅に向かうと、娘がちょうど帰宅、母が出て行ったので駅まで追いかけるが、母の決意は固く電車に乗って行った
■次郎が妻と別居したことを知った愛人とも子は、自分のせいで家庭を壊したと父次郎に別れを告げる
とも子は宗雄の下宿に住み込みまり子を育てることに
しかし生活は厳しかった。ゆみ子が訪問すると宗雄とまり子がいた、
■ゆみ子は母に戻って欲しいというが、母はあなたが私を批判したでしょ、その通りだと思ったのよ、、、出て行くことにしたのだった
■どうしていいかわからない宗雄とゆみ子、
母と父を別の用事と偽り、下宿に全員集合させた


<💢以下ネタバレあり💢>
■宗雄とゆみ子は、まり子の幸せを最優先に考えたい、母が家に戻りまり子を育ててほしい父は資金援助を、、、しかし援助は愛人とも子側から断ったのだった
宗雄はそもそもあなたがが悪いと次郎に詰め寄る、もちろんそうだ、しかし人間理屈どうりには行かない、自分のいるところではない、帰る、君たちの言う通りにする
■結局まり子の本当の幸せは、実の母と暮らすことだと結論
宗雄とゆみ子はなんとか二人でサポートすることに
■二人は森永赤ちゃんコンテストにエントリー、どう見ても若すぎて父親母親には見えないが、、、出産時のことを聞かれしどろもどろ、コンテストで3位に入選した。賞品はベビーカーだった
■父にも報告する、笑顔、
二人はベビーカーでまり子を乗せて歩きながら、まり子の幸せを守ることを誓うのだった
ーーーあらすじ終わりーーー


🎥🎥🎥
56年の本作、石坂洋次郎原作、田坂具隆監督、石原裕次郎、芦川いづみ、というのは2年後の58年『陽のあたる坂道』と同じスタッフ、キャストで話のモチーフも父の不義の子供の話で似ている。
『陽のあたる坂道』の方は3時間半もあり正直この話にしては長すぎるな、、としんどかったが本作『乳母車』は1時間半でコンパクトで良い

個人的にいまいち大スター石原裕次郎って良さがわからないんだけども、この『乳母車』とか『幕末太陽伝』とか主役じゃない場合はいい味があると思う。

それにしてもふと思うんだけど、川口浩と石原裕次郎ってなんか雰囲気がかぶる。ボンボンでいつもトンガっているようでいて実は周りに甘ったれているんだけども、ギリギリ許される感というかなんというか、
ほとんど同世代の二人、その後の役者人生は大きい差があるが、、、川口浩好きなんだよなあ

本作では普通に見ていると感情移入するのは母たま子だ。夫は愛人と子供まで作り、娘はその愛人に憧れて赤ん坊を実の妹として見ている。
完全に居場所ないし、そりゃあ家を出るわな。それにしても娘ゆみ子の身勝手論理には呆れる。
父の愛人の子を不憫に思い、母が育てればいいというトンデモ提案、流石にそれは却下

子供の浅知恵って結構残酷なのよね、、、大人から見ると。

情けないのは父次郎(宇野重吉)なんだけど、なんでこんな老人と新珠三千代が〜と思ったらなんと宇野重吉この時42歳じゃないですか!!
どう見ても70歳にしか見えないなw

お勧めするほどでは無いけど、石原裕次郎に好感が持てたのでまずまず良作!
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