悪魔の毒々クチビル

ブラッド&ボーン 真拳闘魂の悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

ブラッド&ボーン 真拳闘魂(2009年製作の映画)
4.2
その男、無敵。

刑務所から出所した男がとある目的でストリートファイターになるお話。


後に実写版「ドラゴンボール」と言う迷作の脚本も務めたベン・ラムジー監督によるアクション映画です。
そして主演に最近あまり活躍シーンが無いマイケル・ジェイ・ホワイト。余談ですが、初めて習ったのは柔術だそうです。
結論から言うと今作のMJWは最強以外の何者でもない、彼のワンマンアクション作品となっております。

もうね、冒頭の刑務所でのバトルからとにかく彼の身体能力の高さが拝み放題となっております。
とにかく強い!でも何でそんなに強いかはよく分かりません。
服役していた理由も分かりませんし「ボーン」と名乗ってはいるものの、本名かも不明。
ただ闘う理由だけはちゃんと明かされるので、それさえ分かればまぁいっかと思っちゃうシンプルな内容です。

ただ個人的にはアクションで主人公一強な作風ってあまり好きではなくて。
自分と同等かそれ以上に闘える相手がいてこそ、より自らの本気の立ち回りが際立つと思っていまして。特に今回は圧倒的過ぎる。
今作でもかかってくる敵をあまりにあっさり薙ぎ倒すものだから、凄いは凄いんだけど一戦一戦「もっと化物染みた動きが観たかったなぁ」と物足りなさと言うか、妙な残尿感があるんですよね。逆にそれが作品の魅力にもなってはいる訳ですが。
それこそ最初の強敵ポジションでボブ・サップが出てきますが、MJWにかかればあの巨体も只のボブ・サンドバッグでしかなく攻撃を一切食らうことなく一方的にボコボコにしていました。
何ならラスボスの最強ファイターですら、ちょこっと張り合う場面はあれど結局血の一滴も流さずに圧勝でしたね。ここくらいもうちょっと歯応えのあるバトルにして欲しかったです。

とは言え所々で見せる技のキレは充分ぶっ飛んでいて、ジャンプして両足蹴りで二人倒したかと思いきや着地する前に更にもう一回蹴り入れて三人、四人と追加で倒しちゃうシーンは凄過ぎて意味が分からなかったです。これが複数の格闘技をマスターした人間の動きなのか…

作風自体は好みではないんですけど、超人アクションを楽しめるアクション映画としては全然良い出来でしたし、俺も改めてMJWって凄い人なんだなと思いました。
作品によって活躍度の差がめっちゃ激しいタイプの人なので、取り敢えずマイケル・ジェイ・ホワイトのアクションが観てみたいっていう方はまず今作から観てみると良いかと思います。