竜平

キング・アーサーの竜平のレビュー・感想・評価

キング・アーサー(2004年製作の映画)
3.5
ローマ軍に仕えるブリテン人アーサーこと「アルトリウス」とその同志の騎士たち、彼らの自由と誇りを懸けた戦いを描く。歴史アクションスペクタクル。

中世の伝説「アーサー王と円卓の騎士」をモチーフに、更にそこへ独自の解釈も織り交ぜたストーリーになっているんだとか。アーサーを演じるのがクライヴ・オーウェン、その同志の騎士たちを演じるのがヨアン・グリフィズやジョエル・エドガートンやマッツ・ミケルセン、そんで敵側サクソン人にはステラン・スカルスガルドなどなど。ちなみにキーラ・ナイトレイの登場は意外と中盤からだったりして。かつてローマ帝国に敗れ服従を言い渡されたという強国サルマートの騎兵たち、その子孫であり少年時代からローマに仕えることになるサルマート人の騎士「ランスロット」の話がまずあり、そこから成長した彼やアーサーらがまもなく15年の兵役を終える、というところから物語が始まる。当時のローマ帝国はキリスト教が国教で更に教皇が絶対的な権力を持っていて、司祭や教会などそういった信仰の類が優位にあり、それ故に騎士たちは駒として使われている。腕はあるのに従わざるを得ない、逃れられない状況にある騎士たちの様子や、宗教絡みで迫害を受ける民の姿など歯痒いドラマがありつつ、やがて大合戦へと雪崩れ込んでいく、という内容。

全編に渡る本格的なロケーションや、合戦の規模というのは完全に見どころ。流れとしてはまぁ今となってはよくある感じで、死亡フラグなんかもわかりやすく立つ、んだけどその中にも、アーサー王の物語ながら彼のことよりその側近の騎士たちを讃えるようなストーリーになってるあたりとか、ちょっとした意外性がおもしろかったり。無念と悲しき運命と、しかし確実にあったその勇姿。史実はどうかわからないけど、たぶん日本で言うところの戦国時代にいろんな解釈があるのと同じで、ロマンやら感じることで更に楽しく見れるんじゃないかなと。中世やら古代やらの世界観が好きな人に薦めたい一本。後のガイ・リッチーによるリメイク(?)版よりはこっちのほうが好き。
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