なみつ

ベン・ハーのなみつのレビュー・感想・評価

ベン・ハー(1959年製作の映画)
3.7
父から「機会があるならぜひ映画館の大きいスクリーンと良い音で観てほしい」と言われたのが『アラビアのロレンス』とこの作品でした。

結果、そのとおりだと思いました。

何もかも圧倒的。圧巻。妥協が一切ない。驚異の4時間。
とにかく人が多い!調べてみると、エキストラ10000人とのこと…ひええーー
レースのシーンも、9周があっというまで。
わりと絶えずクラシカルな音楽が流れているし。
あと、映画館でないと最初の6分は飛ばしてしまうな。

ただ、肝心の主人公ベン・ハーがちょっと、あまり好きになれなかったんだなー。なぜだろう。市民たちとの触れ合いとかがもう少しあれば理解できたかな。
ベン・ハーよりも、商人や馬主など、脇役たちのほうが魅力的に感じた。特に馬主。金持ちもあそこまでいくとピュアな人。
人を呼びつけておいてすやすや寝てるマリウスさんもおちゃめすぎるね。

最後の展開はさすがにえっ?てなっちゃいました。それまで王道を突っ走ってただけに…
それでいくと最初に「キリストの物語」って言われてますもんね。途中までは言ってたほど要素ないなあと思って観ていたけど、最後の畳み掛け!
心に神がいて、どんな絶望にも打ち勝てるんだという救いの根拠付けとして、勇気をもらえるのかなあ。
不謹慎かもですが、途中の集いがキリストフェス、って感じでした。


この時代の、なのか、金持ちのなのかわかりませんが、人々の生活様式がかなり興味深い。
手をしゃばって洗って拭くをやる召使いさんとか。
全体的にそうだけど、「着替えを手伝う人」、「このタイミングで飲み物渡す人」みたいに、ひとりひとりにこれ!って役割がそれだけ与えられてるかのように思えておもしろかった。
あと、たまたまかもですが飲むときにそこまで大きくもない杯を両手で持っているシーンが何回かあって、そういう作法があるのかなーとか、なんかいろいろ気になりました。
衣装や小道具もすごく魅力的。特に周回カウントのあの魚みたいなやつが愛らしすぎて…!


映画館でのインターミッション初体験!(4分)
なみつ

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