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不思議惑星キン・ザ・ザのninjiroのレビュー・感想・評価

不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)
4.0
社会主義体制下に於いて資本主義の矛盾を論うことは、50年代以降プロパガンダという手軽な単語を深化させ、その理念の手の内を批判的に通念化したおかげで、理想の無い現実の社会主義体制の欺瞞の逆批判となってきた。
本作はまさしく盾と矛のバランスで、恐らく資本主義を批判する態で実のところ社会主義を批判しているものと思われるが、SFやらコメディやらの要素で上手くはぐらかしている。
相当に窮屈な体制の下で苦労しながらの映画制作だったのか?それは知る由も無い。
しかし、80年代以降の憚りのない資本・自由主義側自身のプロパガンダの時代を過ぎて、自由という名の奴隷畑の世界を見た我々にとっては、本作はノスタルジーすらも覚える2極対立の遺した、奇跡的な爆発力を持ったブラックコメディとして、好奇の眼に晒される。
娯楽の消費とは、斯あれ。