nagashing

光陰的故事のnagashingのレビュー・感想・評価

光陰的故事(1982年製作の映画)
2.5
小学生、中学生、大学生、社会人と四つの年代を切りとって構成された短編オムニバス。第一話がもっともシリアスで、第四話がもっともコミカル。物語に連続性はないが、それぞれの作風がきれいなグラデーションをなす。歳を重ねるにつれ状況にたいする切実さを失っていく傾向を反映しているようでおもしろい。
第二話のエドワード・ヤンはまたしても(というかのっけから)ビートルズ。ほかの三作とくらべて出色の出来。少女が自転車に乗れたときに初めて見せる笑顔も忘れられないし、男子三日会わざれば刮目してみよ的な終幕もすばらしい。光と影が交錯する路上で、まず音が鳴り、暗闇からぬっと男の子が現れる。ディテールを丁寧に積み重ねて状況に負荷をかけながら、クライマックスで爽快なパンチを喰らわせてくれる手法はこのころから健在。年齢に不相応な哲学的な問いを投げかける男の子はヤンヤンのひな形か。
nagashing

nagashing