SSDD

ラスト・キングスのSSDDのレビュー・感想・評価

ラスト・キングス(1997年製作の映画)
3.6
■概要
マフィアから足を洗った元ボスの男を、若者達は偶然を装い酒を共にする。
しかし若者達の目的は誘拐だった。
気を抜いて誘拐を許してしまったとは言え元裏社会の男は言葉巧みに若者達を扇動し始める…。

■感想(ネタバレなし)
クリストファー・ウォーケン主演のサスペンス。なかなか面白い話の構造をしていて、誘拐された妹の身代金の支払いと交渉のために元マフィアのボスを誘拐するという若者達の計画を描く。

話の進み方がうまく、そら素人だからなと納得する落ち度が要所に仕込まれているため、違和感なく観てられる。

またマフィアのボスも威厳がない言動や弱気になるようなことはなく、というか恐ろしいほどに落ち着いた状態を保つ。

全く知らない映画だったがなかなか楽しめるサスペンスで、ウォーケンの存在感が絶対的でした。












■感想(ネタバレあり)
・賭博や鉄火場で磨かれた能力
誰が嘘をついているか、誠実か。ギャンブルに誘うことで見出していくあたりから蒔いた種を回収していくようで面白い。
裏切りは死を招くから敏感だろうし、誘拐犯側の口上を当てて見せるのは大きい心理的な揺さぶりだった。

・勧善懲悪
本作のマフィアは自分なりの理屈や道理があり、紳士的な部分を強調しあくまでも友人を嵌めた人間を最後にケリをつけて終わる勧善懲悪のスタイルだ。
そのため悪に悪をぶつけた若者達の中でも制裁を加えられたのは一部。
マフィアものとしながらどちらかというとウェスタン的な描き方だった。

・総評
誰の血だ?という問いから指が切られていることに気づくシーンの見せ方で引き込まれた。

結局狂言誘拐で妹はそもそも誘拐されてもないし、友人達を謀ったのは妹と恋人というなんとも後味の悪い結末を、しっかり捕まえて金を取り返して殺す。すっきりたした終わり方で良かった。マフィアの誘拐を計画した若者はしっかり撃つのも素晴らしい。

評価は低いようだが、自分はなかなか楽しめる作品だった。
SSDD

SSDD