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ミスター・ノーボディ2のHKのレビュー・感想・評価

ミスター・ノーボディ2(1975年製作の映画)
3.0
さすがマカロニウェスタン。タイトルは例によっていい加減です。
『ミスター・ノーボディ』の続編でもなんでもない日本未公開作品です。
製作にセルジオ・レオーネが嚙んでて主役がテレンス・ヒル、音楽がエンニオ・モリコーネという共通点からこの邦題なのでしょう。
原題は“Un Genio, due compari, un pollo”(天才、二人組、マヌケ)ですからむしろ『続・夕陽のガンマン』の原題(善玉、悪玉、卑劣漢)をパロッた感じ。

マカロニ後期のコメディタッチの作品ですが、名作『ミスター・ノーボディ』の面白さを期待するとかなりガッカリします。
監督はジャン・マリア・ボロンテ主演の『群盗荒野を裂く』のダミアーノ・ダミアーニ。
冒頭にレオーネの演出シーンもあったりしますが、作品としては残念ながらレオーネが関わったウェスタンでは一番の凡作。

出演は他に可愛い子ちゃん担当のミウミウ、悪役担当はパトリック・マクグーハンにジャン・マルタン、クラウス・キンスキーとけっこう胡散臭いのが揃っているのにいまひとつパッとせず(キンスキーは笑えますが)。

本作でも相変わらず頑張っているのは音楽のモリコーネ。
『ミスター・ノーボディ』の路線で明るくほのぼのとした曲を聴かせてくれます。
モリコーネはよく曲の中にクラシックの名フレーズを仕込むお遊びをしますが、『夕陽のギャングたち』では“アイネ・クライネ・ナハトムジーク”、『ミスター・ノーボディ』では“ワルキューレの騎行”、本作ではとぼけた場面で“エリーゼのために”がインサートされていました。
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