竜平

クライシス・オブ・アメリカの竜平のレビュー・感想・評価

3.5
湾岸戦争でのある出来事とその英雄への疑念から、やがて全貌の見えない「何か」を調査していくことになる元上官の男。そこに隠された真実とは、という話。政治サスペンス的スリラー映画。

『影なき狙撃者』を現代風にアレンジしてのリメイク作品、ってのは余談及び今更ながら知った事実。にしても全編通してなんとも歯痒い、と感じるのは俺だけなんだろうか。いやもちろん映画としてはいい意味でね。ひたすらサスペンスフルで、先の気になる流れに引き込まれる。政治家や大企業によるとてつもなくでかい「力」と陰謀、圧力や隠蔽、そして洗脳。これは所謂「都市伝説」的な話と言えるんじゃないかな。一般庶民の気づかないところで権力者たちによる何かが進行してるという、フィクションとは断じて言い切れない内容。嫌いじゃない、むしろ好物。主人公の主張がまかり通らず、また解決の糸口もなかなかつかめないあたりとか、ある種の恐怖感も覚えたり。デンゼル・ワシントンを筆頭に、掴み所のない男を好演するリーヴ・シュレイバー、クセ者を演じるメリル・ストリープも見所。

こーゆー映画を見て、まぁ映画の内容としてはハッピーエンドなり何なりがもちろん待ってるわけだけども、いざ現実に置き換えたときにそれがハッピーエンドや何かを迎えることはあるのだろうかと、勝手に想像を膨らましたりして。そういった陰謀って歴史の中でずっと廃れずに続いてきたんじゃないかと思うし、これから先もずっと続いていってしまうんじゃないかと、そんなことを想像して怖くなってしまう俺でした、とさ。
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