りんごチャン

13回の新月のある年にのりんごチャンのレビュー・感想・評価

13回の新月のある年に(1978年製作の映画)
3.9
ファスビンダー初観賞がこの作品で妥当だったのか…と、面食らいながらのこの“どうしようもない感”が堪らない。

感情移入しづらいエルヴィラという人物設定の妙。この人物が出来あがる過程が人間の不規則性・不安定性を上手く表していて頭の中はまるで曇天。記憶に残り続けるだろう死を意識したアブノーマルな描写の数々…。どんより一辺倒な作品だった。

”どうしようもない感”効果を上げてくれる長回しの屠殺場シーン。苦手ではないのに、これは劇場観賞を後悔したほど。食べていたマフィンは半分で手が止まり観終わる頃にはパサパサに…。

新月が13回ある年は要注意だな。