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ピートとドラゴンのRenのレビュー・感想・評価

ピートとドラゴン(1977年製作の映画)
3.0
ディズニーが好きな人からしたら「Eパレのフロート」「ドリミの曲」でお馴染みだけど、意外と本編を観ている人は少ないと思われる作品。40年以上前の作品ですが、ぜひリメイク版と併せて観たい映画です。

可愛げは残しながらちょっとおじさんっぽいフォルムのエリオットが良い。全力の萌えキャラになっていないからこその味。
合成やグリーンバック撮影に違和感はめちゃくちゃあるのだけど、きちんとアニメが現実に干渉しているし、影まで再現されていて拘って作られたことが分かる作品になっていました。
エリオットが透明になれる特徴を持っているのも、映画的にとても面白い!『透明人間』のような、誰もいないところで何かが起こる大喜利のどれもがほぼドリフなのだけど、キッズ向け映画としてとことん分かりやすく作り込まれています。

少年とドラゴンのロードムービーかと思いきや、終始一つの町でのお話。もっと冒険らしいものが観たかったのに〜というちょっとした肩透かし感は、ラストで納得に変わります。この映画は紛れもなくエリオットのロードムービー。
2人の出会いのシーンをごっそりカットしたのも英断だと個人的には思います。この時代らしい唐突感・テンポが良すぎるきらいもあるけど、ここがあっても無くてもストーリーの軸も密度も変わらない。

不思議な友達&彼を匿う人vs彼を狙う人、の王道展開で、全く期待を裏切らない物語。擦れた大人は今作でハッピーエンドの何たるかを思い出すはずです。

その他、
○ ピートがエリオットのことを 隠したいのか/信じてほしいのか がかなり曖昧であまり彼に入り込めず。
○ エリオットが2Dであることが「この時代にCGは無理だったから」以上の理由が特に無い点がちょっと味気無い。(『ロジャー・ラビット』はキャラが2Dであることに構造的な理由があった)。勿論アニメでしか味わえない愛嬌というものは十二分にあるのだけど。
○『Brazzle Dazzle Day』良い曲〜。
○ 灯台が舞台になった瞬間いつホラーになるのではないかと心配するようになってしまった『ライトハウス』を許すな。

○『エルマーのぼうけん』を読んだことがある人と友達になりたい。
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