唯

バッド・チューニングの唯のレビュー・感想・評価

バッド・チューニング(1993年製作の映画)
3.2
高校生の学園ものが映画になるのは、自我や自立心が著しく強固になる時期でありながら、まだ保護下にあることが障壁となり、あらゆる摩擦や葛藤がドラマとなるからだろう。
高校生の遊びや悪ふざけなんて、単なる暇潰しであって無駄なことばかり。
だが、無駄なことに夢中になれるという時代がなんと尊いことだろう。

新入生は可愛らしいのだが、上級生がおっさんなんだが(本当に高校生???)。
下級生にとっては上級生が絶対で、上級生は自分達が世界の中心だと信じている。
つまり、物凄く世界が狭い。
まだまだ安全の範囲内にある。守られている。
本当の世界を知って行くのは社会に出てからで、高校時代とはそれまでの猶予期間なのである。

上級生も下級生もビッチもオタクも描いている点が特徴かな。
高校生男子の価値判断基準が、童貞か否かモテるかどうかだけ、というしょうもなさなのに、それに気付けない呑気さが羨ましい。
唯