Ryu

ハードエイトのRyuのレビュー・感想・評価

ハードエイト(1996年製作の映画)
3.4
カジノで大負けして、ダイナーの外で座り込んでいるジョン。そこへシドニー という老人が現れて、コーヒーを奢り、そのままラスベガスのカジノへ連れて行き、ギャンブルを手ほどきする。2年後、一人前のギャンブラーになったジョンはネバダ州 リノでシドニーと再会し、ウェイトレスの恋人 クレメンタインと友人のジミーを紹介する。

ポール・トーマス・アンダーソンの監督デビュー作。20代半ばの監督が撮ったとは思えないほど、落ち着きがありましたね。
PTAの作品はほとんど観たことがなく、今作で2作目の鑑賞になります。
主演のフィリップ・ベイカー・ホールの貫禄がハンパない。ジョンに対してこれでもかってくらい面倒を見るシドニーですが、その真相が発覚した後だと、ちょっとした切なさみたいなものと一緒に渋いかっこよさを強く感じました。親子のような師弟関係の裏には血や暴力がある。これによりただのヒューマンドラマには終わっていなかったように思いました。
物語は多くが会話劇から成り立っているのですが、これがまたウィットに富んでいてオシャレですね。
会話劇メインで、大きな盛り上がりとかもなく、終始淡々としています。これが今作の魅力のひとつなんだとも思いますが、個人的には、ちょっと退屈しちゃいました。 説明的な要素もちょい少なめな気がして、物語にめちゃくちゃ入り込むことはできなかったかなぁ。
わかりやすい面白みは強くは感じれませんでしたが、オシャレな会話や画、真相が分かってからだとちょっと見え方が変わってくるストーリーなど、PTA監督の只者じゃない感はデビュー作の今作から炸裂していたのではないかと思いました。
Ryu

Ryu