ダリオ・アルジェント製作、ミケーレ・ソアビ監督作品。
悪魔崇拝者の教団により、妊娠させられる女教師の恐怖を描くというと「ローズマリーの赤ちゃん」みたいな話を思い描く。
が、ヒロインの恐怖というよりも彼女と直接間接に関わったり関わらなかったりする様々な奇怪な出来事が脈絡があるようにないように連ねられるあたりがやはりイタリアっぽい。
例えば冒頭のプロローグ、アメリカでヒッピーの一団が謎の男とその仲間に殺される。
例えば地下鉄でスリが財布を盗もうとして、教団の男がポケットに入れていた殺した相手の心臓をつまみ出してしまい車内がパニック。
そして、ヒロインの身に起きる出来事も寝ている間に鼻腔に奇虫をもぐりこまされるだの、幻想的なものが多く、正直、中盤はやや散漫でつらく、しばらく一週間ほど放置して、後半から改めて観た次第。
終盤、鏡で反射させた月光を犠牲となる女の顔に照らし、さらに鉤を幾本も顔面に通してそれをねじって顔の皮を剥いで蘇生させたい死体の顔にかぶせる復活の儀式なんて場面はついつい見入ってしまういい出来で調子をあげていくんだけどさ。