チッコーネ

メゾン ある娼館の記憶のチッコーネのレビュー・感想・評価

メゾン ある娼館の記憶(2011年製作の映画)
3.5
娼婦映画で群像ものだが、根底には男目線があり、女性映画ではない。このため全体的なトーンは陰鬱で、中には血塗られた残酷描写も。時代と逆行する作風を推し進めるためか、幻想的な演出も取り入れられている。
娼婦を見る目から憐憫を取り除くことは難しいとしても、もう少し職業上の矜持や奥義を漂わせて欲しかったところ。全体の印象は曖昧で、強さに欠ける。
新人に手順を教えるかたちで、見る者にもその生活ぶりを解説する手法は、スムーズで良かった。また照明や美粧も悪くはない。