Netflixで配信中の人気ドラマ「ストレンジャーシングス」のような“青春ホラー”の先駆けとなったのが1976年版『キャリー』。
40年以上前の作品にも関わらず、宗教、マイノリティ、イジメ、ジェンダーなどラディカルなテーマがもっこり含まれております。
ということで本家があまりに有名すぎて誰も得しないリメイク企画ですが、クロエしゃんが可愛いので許しましょう。
キャリーといえば血まみれのクライマックスですが、その直前のプロムキング&クイーンを投票で決める場面にご注目。
トミーに“To the devil with false modesty”とそそのかされます。偽りの謙虚さなんか悪魔にくれてしまえ=素直になれよと。そしてキャリーは「自分に投票する」というズルをしてしまいます。
厳格なキリスト教徒の母親に育てられた地味娘のキャリー。それが胸元ばっくりのドレスで着飾ってイケメンにちやほやされた結果、「もっとキラキラしたい!」という欲望が生まれたんですね。つまりオンナになった瞬間です。
なんてことない小さなズルで可愛いものですが、ここにdevilという言葉を使う意地悪さ。その直後、本当に悪魔のような姿になってしまいます(泣)
でも、この悪魔的な復讐シーンが観客にとってはカタルシスとなる。クロエ版キャリーは血だらけなのに可愛い。当時16歳のクロエ、完全に正義。
キャリーの超能力は「思春期の不安定な心と体」の象徴ですが、同時に「女の子が本気だしたら無敵なんだからねっ!」というメッセージでもあると感じました。
1976年版は当時26歳でトカゲ顔の女優さんが強烈過ぎてまさにホラーですが、本作は最初からホラーを撮るつもりはなかったんでしょう。クロエちゃんのような可愛い子を虐げることで悲劇性を強調してるんですね。
いやーこの子X-MENにスカウトされていたら輝けたかもね(笑)
自宅の前でキャリーがプロムに誘われる場面の音楽も良かったです。
トミーに口説かれている間は明るい曲調なんですが、母親の気配を感じた瞬間に不穏なマイナー調へ変化するんですね。見逃してたら是非チェックしてみて。