むらむら

ドリームハウスのむらむらのレビュー・感想・評価

ドリームハウス(2011年製作の映画)
5.0
だから大島てるがアメリカにあれば、こんな事故物件に住む人も減るつってんのに……と小言の一つも言いたくなる「引っ越したら事故物件」ジャンル映画。

このジャンル、ゾンビものや探偵ものと同じくらい量産されているが、今回の作品はダニエル・クレイグ主演、レイチェル・ワイズ、ナオミ・ワッツとスター共演なので、なかなか見応えのあるサイコスリラーに仕上がっている。

監督(ジム・シェリダン)が制作会社と衝突して、最終的に制作会社が編集し直したらしく、主演陣もプロモーション協力を拒否。そのため、興行収入としては悲惨だったが、ダニエル・クレイグはこの作品を機にレイチェル・ワイズと結婚。「映画は上手くいかなかったけど、俺の女房探しは上手くいった」とコメントしてる。さすがダニエル兄貴、「ナイブズ・アウト」の探偵役も最高だったけど、新作も期待しています!

で、この映画、サイコスリラーにありがちな誰もが予測するオチに進んでいくんだけど、面白いのが、物語の中盤で、早くもそこに到達しちゃうわけですよ。惑星に不時着したら、いきなり自由の女神見つけちゃった、みたいな感覚ですよ。そのあとどーすんの?っていう。そしたら、ちゃんとそこから展開してくれる。この流れがミソなので、普通のサイコスリラーの展開に飽きてる人なら「あー、こうなるのね!」と膝を打つ瞬間があると思う。

ただ一つ、どうしても納得いかない設定が(以下、ちょっとネタバレなので、全く知識なしで観たい人は読まないでください)、冒頭にも出てくる「隣の家と自分の家を間違える」って設定。ミサワホームの建売住宅に住んでる訳じゃあるまいし、そんな簡単に隣の家って間違えないよね? 隣の家と自分ちって、「エルム街の悪夢」と「エロム街の悪夢 もっと腰をフレディ」くらい違うと思うんだけど……。

そこを除けば見応えのある佳作だと感じました。
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