小津安二郎監督の名作｢東京物語｣を山田洋次監督がリメイクした作品。
舞台を現代へと置き換えていますが、中身はかなりオリジナルに忠実になっております。一番の違いとしては、次男が健在であり、紀子は次男 昌次の恋人として出てきます。オリジナルの紀子の役柄を2人で分担していたような印象です。それから、東日本大震災についての言及が少しだけ加えられています。これは地震により公開が遅れて、後付けされたものらしいです。
基本的にオリジナルに忠実なので、感じることは同じような感じで、家族の心が離れ離れになってしまうことへの寂しさとかを感じたりしましたが、今作はオリジナルよりも全体的に温かさを強く感じました。ストーリーもキャラクターもほとんど一緒なのに、これだけの違いを出すのはスゴいですね。この家族の温かさに関しては、流石山田洋次 と言ったところでしょうか。キャスト陣の演技もその温かみを感じる大きな要因だったと思います。橋爪功はだいぶ笠智衆に寄せていて、味あったんですけど、やっぱりあの独特の落ち着いた雰囲気は笠智衆ならではなところがあるなぁと思いました。吉行和子はオリジナルの東山千栄子に負けずとも劣らない優しさ溢れるおばあちゃんでしたね。あの優しい声を聞いてるだけで落ち着いてきます(笑)。
オリジナルへのリスペクトも大いに感じれて、山田洋次らしさも感じれる良いリメイクだったと思いました。
