J四郎

パフューム ある人殺しの物語のJ四郎のレビュー・感想・評価

3.7
トム・ティクヴァ監督が同名小説を映画化したサスペンス。
この映画にはダスティン・ホフマンも出演しています。

主人公のグルヌイユという青年は超人的な嗅覚を持っており、その才能を活かして究極の香水を作る!という欲望に燃えております。いや~なんともストイックな職人気質なんですが、あまりに突き詰め過ぎて美少女の体臭を俺は作る!というヤバイ方向にイってしまいます。

そこから丸坊主にされた上、全裸の美女の死体が街のあちらこちらに転がるようになるからさあ大変。教会のど真ん中にまで転がっているっていう大胆不敵な猟奇的殺人事件は続きます。でもコレが考えたら気色悪いんだけど、死体がまた美しいのなんの。ほとんど芸術的なオブジェです。

さて、この映画は香水つまり香りという目に見えないブツを扱ってるわけですが映像からまるでイイ匂いがしそうなくらい。全編通して映像はメッチャ美しいです。こんな映画なら普通は陰惨でグロくてキモい絵が続きそうだけどそうじゃない。コレ、今の4DXならどう表現するんやろ?

主人公はまるで香水怪人で、作り上げた究極の香水はとんでもない現象を引き起こします。アレってどう撮影したんやろ?というくらいこの場面はぶっ飛んでいます。更にラストはまるでゾンビもの?

ホンマに映像が美しくて芸術作品みたいですが、これは好き嫌いがかなり分かれるだろうな~と思う。客観的にみたら変態ボウヤが連続殺人してるだけの話だからねぇ。彼の誰にも理解されない(当たり前だ)孤独感も見どころのひとつかな?(イヤイヤ、殺人・ダメ。ゼッタイ。だけど。)
J四郎

J四郎