るる

映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)のるるのネタバレレビュー・内容・結末

2.9

このレビューはネタバレを含みます

私はほんとね、原作者が生きてた頃の劇場版ドラえもんで育ったんですよ…転ばし屋のエピソードとか、初期作品もビデオで借りて観てね…

ねじまき都市を見ると未だに、去っていく黄金の巨人もとい作者の分身に感傷的になってしまう…原作漫画というより、劇場版に夢を見せてもらったんだ、ほんとに。芝山努監督のムック本あったら絶対買う…頼むぜ…

だからもうね、声優変更された時点で、ドラえもんから完全に興味を失ってしまって…あ、時代に合わせてアップデートする方向ではないんだ? これは昭和の話だ、と強調して、現実から切り離す方向なんだ? という意味で。
(サザエさんの時代との合わなさ、にも関わらず政治利用しようとする昨今の動きを見るにつけ、ドラえもんはうまくやった、英断だったとは思うけどね…)
(現代の機械技術がドラえもんの世界に追いついてしまったという事情もあるよね…ドラえもんの声のSiriを出してくれ。できれば大山のぶ代版…金なら出す…)

だからまあ、だいぶ構えて観た。

「無駄にでけえー」台詞がちょっとなあ…

現代的な台詞回しだけど…子供の見るものとしてちょっと安心できない感じ…イジメといじりの境界とか…しずかちゃんの紅一点の扱いは劇場版では比較的フラットで昔から私は好きなんだけどね、私は彼女のことエロ目線で見たことがなかったから…いま過去作品を見返すと印象変わるかもだけど…

あれなのよね、子供が変な影響を受けないように親が注意すべきだ、とか簡単にいうけど、もはや、そんな余裕がない時代じゃない? というか、昔からそんな余裕なんかなかったじゃない? 最近の、とりあえずディズニー観せておけば教育上、大丈夫、っていう安心感はコンテンツとして強いよね、マジで。っていう…

さておき。初期型どこでもドアにちょっと感動。ゴンスケ〜! ファン向けのサービスを随所に感じて、旧作ファンにも評判が良かった理由はわかる。

「待て、ルパーン!」の台詞からは銭形警部を感じたり。博士の描写はむしろ手塚治虫とか横山光輝とか…かなあ。レストレード警部をマスタード警部とするセンスも好き。

アニメ的あざとさを感じる演出はイマイチ…好きじゃないけど。いかにも怪しい博物館館長。ビッグライトがないから元に戻れないジャイアンとスネ夫、脚本上のあざとさも感じて…ううーん…あんまり好きじゃない…

オリジナルキャラのみのシーンが多すぎない? という疑問も感じたりして…ペプラー博士とクルトくんと一緒に、ドラえもんメンバーの誰かが加わっていて、仲間が悪い博士と一緒にいる、違う博士は無実なんだ、いや実は…とか、どんでん返し、葛藤を見せて欲しかった…かな…怪盗vs探偵の構図にしたいなら尚更もうちょっと…なんとかならんかったんか…とか。

ドラえもんの鈴のエピソードをああいう回想で見せちゃうのかよ、という脚本への不満もあり。感動はしたけど…感動路線にうんざりもして。

怪盗の正体はクルトだった、こっちはコピーロボットだった、おおー、しかし種明かしの回想が長くて…うーん…オリジナルキャラのみにそこまで感情移入できないんだってば…もったいない…クルトとのび太との絆をもっと描いた上でこれをやってくれよ…

でも今の子供達に向けた映画として…悪くはなかった…のかな…ペプラー博士がダメすぎだろ、と思ったけどな…評判の良い『南極〜』まで順番に見て行きたい気持ち…うん…

あ、いわゆる「テレビの砂嵐」を異次元空間への遮断の演出に使うあたりはセンスを感じた。
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