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それいけ!アンパンマン 勇気の花がひらくときのシネラーのレビュー・感想・評価

4.5
"勇気の花がひらくとき
ぼくが空をとんでいくから
きっと君を助けるから"
仲間の皆を愛するアンパンマンと
そのアンパンマンに恋するヒロイン
という淡い恋模様も描かれる
アンパンマン映画を再鑑賞。
二人の愛情から生まれる
本当の勇気という王道展開が良かった。

物語としては、
キラキラ星のキララ姫が星での
生活に嫌気が差して旅に出たところを
アンパンマンに救われて恋心を抱くも、
皆を博愛するアンパンマンとキララ姫で
騒動が起きる内容となっている。
劇場版のゲストヒロインが
アンパンマンに恋をするという展開に
アンパンマン自身も頬を赤らめる等、
恋愛とも言えるシリーズでも珍しい
題材を扱っていおり、
その中で勇気というメッセージ性を
絡めているのが良かった。
好きな人を独占したいという
気持ちのキララ姫が初々しく、
それでアンパンマンに裏切られたと
感じて勇気の源である勇気の花の瓶を
割るといった行動をするのが、
幼児向けアニメにしては大人びた部分
にも感じられるところだった。
そんな状況下で迫る危機に
アンパンマンがいつもの力が出せずに
「元気3倍」の状態で弱々しくなるが、
大一番で愛するものを守る為に
真の勇気を出してキララ姫を助けよう
とするのが良かった。

本作の敵は終始ばいきんまんであり、
町やパン工場を焼き払い、
アンパンマンに必要な勇気の花を潰し、
挙げ句にキララ姫を人質に
火の中へ飛び込む事をアンパンマンに
要求するといった具合に、
たまの劇場版等で本気の悪行を尽くす
彼が拝めるのも本作の特色だと思った。
それでいて劇場版やテレビスペシャルで
高いクオリティのアニメーションとなる
アンパンマンではあるが、
本作においても勇気100倍となって
繰り出すロケットアンパンチの場面は
すこぶる格好良かった。
そこで流れる本作のテーマ曲
「勇気の花がひらくとき」は、
直球的なヒーロー曲で大好きだ。

大切なものを守ろうとした時に
身を奮い立たせて勇気をくれるのは
勇気の花じゃなく自身の心だと、
アンパンマンが体現してくれる映画だった。
皆を愛しているから
アンパンマンは戦っているんだ。
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