emily

ムーンライズ・キングダムのemilyのレビュー・感想・評価

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)
3.9
ここは1960年代の米東海岸ニューイングランド島。ボーイスカウト所属の12歳のサムとスージーは駆け落ちを実行。保安官やスージーの両親、ボーイスカウトのメンバー達が彼らを探し奮闘し、やがて悲劇が悲劇を生んで、事件は大きな展開を見せていく。

冒頭から色使いや小物、それから人物の配置、カメラワークなどしまった空間で監督独自の世界観を見事に作り上げた、おもちゃ箱をひっくり返したような作品になってる。

ハチャメチャなのに、しっかり構成されていて、大人な子供達と、大人になりきれてない大人たちが交わると、こんな異次元な空間ができるのかっていうぐらいに、映画という枠を超えて、舞台のような雰囲気をだす。

画面の端から端まで何が起こるかわからない、人物の立ち位置もすぐに入れ替わるし、物語もどんどん転がっていく。ただすべて緻密に構成されてているのに、なんかめちゃくちゃ(良い意味で)。

背景とのギャップだったり、対比する人物像だったり、真逆の物をごちゃまぜにして作り上げる異次元空間という感じで、ジャンルもすべて超えてかわいくもいとおしく、毒もあるから、リアリティもある。すべてが詰まっていて、これが見終わった後現実に戻される感じが嫌になる。ずっと浸かっていたい作品
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