竜平

ムーンライズ・キングダムの竜平のレビュー・感想・評価

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)
3.9
架空の島ニューペンザンス島を舞台に、駆け落ちする少年と少女とそれに翻弄されることになる人々の姿を描く。ほのぼの系コメディ。

ウェス・アンダーソン印の温かくて優しい世界観と、上下左右平行に動く独特なカメラワークが印象的。お遊戯会を見てるような狙ったチープ感だったり、淡々と流れていく登場人物のやり取りだったり、この監督特有の「ハマる人にはハマる」であろう演出が今作には盛り沢山。内容としては子供同士のわんぱく逃避行、なんだけどそれだけにはとどまらずちょっぴりディープな恋愛模様もしばしば。幼い頃に感じたであろうドキドキ感と、子供を想う親目線と、いろんな角度から楽しめる気がする。で、この話を彩るのがなんとも豪華なキャスト陣。中でもブルース・ウィリスやエドワード・ノートン、こんなにも平和な演技をしてるのは久しぶりな気がする。個人的にツボなのはナレーターみたいなおっさん、その存在感、なんか可愛い。

見終わった後に幸せな気持ちが残る、ただただ単純に素敵な話。ウェス・アンダーソン作品としては、もうね、クセがだいぶ強い。彼の他の作品でハマったってな人にマストで薦めたい。
竜平

竜平