若い頃に行った精子提供により533人の遺伝子上の父親となっていたことが発覚する42歳独身男の話。ゆるめに、そしてユーモアたっぷりに描かれるハートフルコメディ。カナダ映画。
「そんなバカな」的なストーリーがまず最高に楽しい。テキトーで恋人にも愛想を尽かされてる所謂「ダメ男」の主人公ダヴィッド・ウォズニアックが、あまりにも突然降りかかる事態とトラブルの連続に奔走しつつ、やがて人として男として成長していく。てかこの主人公の名前、響きがめっちゃいいなって思うのは俺だけなのかな。まぁ関係ない話は置いといて。なかなか突飛な話ではあると思うんだけど、コメディとしてのおもしろさと展開のわかりやすさでスッと入り込めるはず。で、今作はそれに加えてヒューマンドラマとしてのいい具合の奥深さ、素敵さというのも香る。ダヴィッドが出会うことになる人物とのエピソードがどれも微笑ましくて、ほっこりさせられること請け合い。ここらへんで垣間見れるメッセージ、命や家族、そして人生や存在意義みたいなものまで、「自分の子」という題材に乗せて嫌味なく伝わってくるのが非常に印象的。個人的には親とのエピソード、会えることが幸せというこの言葉に本当にグッときたってなところ。どうでもいいことだけど、見てて徐々にダヴィッドの性格の図太さとか懐の温かさから、この人マジで精子強そうだなってか、こんだけ子供が誕生しちゃってることにちょっとした説得力を感じてしまう、ってゆーこれも笑いどころ。
ちなみに『人生、サイコー！』(邦題)というタイトルでハリウッドリメイクもされてるらしい、ってのは本当に余談。何はともあれ軽めのハートフルと不意にくる感動、こーゆーの非常に好き。人生の息抜きとしてオススメしたい。
