ブタブタ

インターミッションのブタブタのレビュー・感想・評価

インターミッション(2013年製作の映画)
3.5
今からほぼ六年前の2013年3月31日に閉館した映画館「銀座シネパトス」
そこを舞台に閉館真近の銀座シネパトスに集う人々の、映画が上演される幕間(インターミッション)の時間を映す群像劇であり消えゆく映画館へのお別れの意味も込めた記念作品。
しかし自分は足繁く通ったわけでなく数回しか訪れた事はありませんが半地下の入口と前から見ると野球場みたいなレトロ建築はよく覚えてます。
シネパトスの手前に「入口→」と書いたショーケース付きの看板時計塔があってブレイク直前の壇蜜さん主演『私の奴隷になりなさい』のでっかい縦長看板がデーんと立ってたりしましたっけ。
「何をしでかすか、この観客たち」が本作の惹句ですが、基本的に何かが起きる事はなく、ただ淡々とゲスト→会話→退場→次のゲストが繰り返されるだけで、これを映画と言うのはちょっと。
これなら「思い出の銀座シネパトスを偲ぶ」みたいなテレビ番組で実際の俳優・関係者・足繁く通ったファンらによるシネパトスの思い出話しやその思い、等を語った方が良かったんじゃないか?と思いました。
銀座シネパトスが閉館するのは「建物の老朽化」以外の理由はなくて(実際黒字だったらしい)震災や原発の放射能漏れ、社会的メッセージのみが本作唯一のファンタジーだったと思うけど消えゆくシネパトスを見送るってコンセプトに対して甚だ余計な演出だと思うし、ならもっと「閉館は中止、これからもシネパトスは映画を上演し続けます!」みたいなファンタジーに振り切れてても良かったと思う。
でもやっぱり、こういう映画が作られる事自体が銀座シネパトスが長年愛されて、昭和から平成の時代に迄奇跡的に残った昔ながらの数少ない最早「文化遺産」とも言うべき建築物で映画館だったのだと思う。
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