恭介

キャビンの恭介のレビュー・感想・評価

キャビン(2011年製作の映画)
3.8
いやぁー初見の時はツボったなぁ。

ホラー映画の定説、というか
お約束的な流れの本流って
やっぱり13日の金曜日なんだなぁと
本作を観て改めて思った。

そう言う意味に於いてはホラー映画と言う
ジャンルの流れを変えてしまった
13金は映画史に残る一本と言える。

低予算で殺し方カタログみたいな
映画なんだけど、それだけ世間や
ホラー映画ファンに与えた影響は
計り知れなかったんだろう。

そんな純然たるホラーの本流から
派生して、同じような大きさの
流れを作ってしまったのが
死霊のはらわただと思う。

ただ単に怖いだけじゃない。
やり過ぎて過剰になった表現が
笑いに昇華するホラー、な流れ。

紙一重なんだけどワラけてくる
このさじ加減が難しいんだけど
死霊のはらわたはその本家。

この13金と死霊のはらわたを
踏まえて本作。

で、このキャビン。
監督をはじめ製作や脚本家ら
スタッフが嬉々としてこの映画に
関わっているのが眼に浮かぶぐらい
ホラー映画への愛情が伝わってくる。

いや、半分は茶化してるかも
しれないが(笑)

表向きはちゃんとしたホラー映画だ。
しかし1枚皮をひっぺがえすと
コメディ映画に早変わりする二層式というか、一粒で二度美味しいグリコ式映画
でもある。

いや、コメディ・・は言い過ぎか?
けど、んー、まぁ、コメディ?(笑)

表立って笑わそうとしているシーンは
少ないんだけど、話が進むにつれて
真面目なのか茶化してるのか
掴み所がなくなってくるという
不思議な感覚を味わえる(笑)

ネタを一切知らなくて初めて観ると
序盤の感想は、既視感あるあるで
先の展開が読み読みなC級ホラーに
思うだろう。

しかしっ

ある程度の真相がわかり始めた中盤から
一気にギアが変わり、悪ふざけというか
破茶滅茶加減が増してきて
俄然、ワクワクニヤニヤしてしまう(笑)

そして更にラストに雪崩れ込むと
もうお祭り騒ぎのどんちゃん騒ぎになり

オーラスでは予想の遥か斜め上をいく
オチが待っている。

こんな感じで色んな楽しみ方が
出来る、ありそうでなかった粋な映画。

特にラストの全員集合ーっ!シーンは
阿鼻叫喚のカオス状態で何故か
ニヤニヤが止まらなくなる(笑)

一回こっきりのネタ見せ興業映画だが
アイデアは秀逸なホラーコメディ?

コメディ?んー・・
いや、ホラー・・コメディ?



もういいって?(笑)
恭介

恭介