emily

愛、アムールのemilyのレビュー・感想・評価

愛、アムール(2012年製作の映画)
3.9
長年連れ添った夫婦のジョルジュとアンヌ。ともに音楽教師、娘もミュージシャン。幸せな日々に訪れるアンヌの病。半身麻痺になり、自宅で介護をするジョルジュだったが、徐々にアンヌの状態が悪化していき、追い詰められていくジョルジュの取る行動とは。

淡々と描かれるアンヌとジョルジュの日々。衰退していくアンヌ。待ったなしの介護の日々。老いと死は誰にも平等に訪れるし、大事なのはそれにどう向き合うかということ。メロドラマな演出ではなく、あくまでドキュメンタリーのようが夜が明けて朝が来るように、老いと死を”普通のこと”として、日常にありふれてる物として描かれてる。だからこそリアリティがあるし、さらに痛い現実を観客にたたきつけてくる。

しかしこれは壮絶な愛の物語なのだ。
長年連れ添った夫婦が築き上げた愛の集大成の物語なのだ。
ふたりの愛はその選択により永遠のものになる。
変わらない色褪せない物として幕を閉じる。

老いと死、そこに添えられた愛の形。愛する人の死、
死ぬときに愛する人がそばにいる。
これ以上の愛の形があるのだろうか。
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