きんゐかうし卿

本陣殺人事件のきんゐかうし卿のネタバレレビュー・内容・結末

本陣殺人事件(1975年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

 
 
 
 
 
自宅(CS放送)にて鑑賞。時代設定を製作当時の'70年代に置き換え、原作者横溝正史も気に入ったと云う中尾彬による“金田一耕助”物。旧家の陰湿で不気味な雰囲気が出ており、オープニングを始め、時折登場する水飛沫と水車の回転音が効果的に使われている。朱系に代表される全篇の色遣いも印象的。ラストカットの思わせ振りな緑の涙も佳い。ただ尺に対する謎解きのタイミングやボリュームバランスがやや悪く、あの大林宣彦による音楽にも違和感を憶える。最大の見せ場となるトリックもじっくりと魅せて欲しかった。60/100点。

・ともすればコジンマリしそうな密室ミステリーとじっとりとしたATGによるテイストが巧くマッチし、ロケ地と思われる京都も物語と相性が佳かったと思う。

・チック症の“一柳良介”役、伴勇太郎が端役乍ら印象に残った。時として紫色のサングラスを掛け、Gパン姿の“金田一耕助”──現在と随分印象が違い、アクティブでスラスラと流暢な科白廻しの演者中尾彬も一見の価値有り。

・鑑賞日:2014年2月16日
★☆ 某サイトより転載 ☆★