こたつむり

男と女の不都合な真実のこたつむりのレビュー・感想・評価

男と女の不都合な真実(2009年製作の映画)
3.8
♪ すべて知るのは到底無理なのに
  僕らはどうして
  あくまでなんでも征服したがる
  カンペキを追い求め
  愛しぬけるポイントがひとつありゃいいのに

恋愛でも結婚でも大切なもの。
それは“笑顔”だと思います。飾ったものではなく、作ったものでもなく、心の奥からジワリと滲む“笑顔”が見たいから一緒にいる。それだけで良いと思うのです。

だから、それを大切に描くラブコメは大好物。
ニヤニヤが止まらないんです。下品な描写が多くても、胸の奥の疼きが全てを赦しちゃうんです。

とは言っても。
ちょっと下ネタが多いとは思いましたけど。
「茂み」とか「おマメちゃん」とか「男はお前の穴に惚れる」とか…ごにょごにょ。僕はコドモだから詳しく分かりませんが、過激な言葉が飛び交っていました。

と言うのも。
本作が描こうとしているのは「理屈で人を選ぶな、本能に従え」ということ。ならば、性欲を避けられるはずもなく。下ネタに走るのも当然ですね。

とは言えども。
やっぱり大切なのは“笑顔”。それを魅せるのが役者さんたちの技量であり、脚本の妙。本作は不器用すぎるくらいに強引でしたが、その原理原則を大切にしているのは伝わってきました。あと、主演女優さんの知名度が低いので新鮮。

とは言っても。
日本だけの話ですけどね。向こうでは「ラブコメと言えば彼女」というレベルで大旋風を起こした女優さんだそうで。例えるならばWアサノみたいなもんですかね。って少し古いか。

まあ、そんなわけで。
ラブコメのフォーマットに沿った作品なので、表層をコーティングする演出(本作で言えば下ネタ)を許容できるかどうかが分水嶺。お子様と一緒に鑑賞するのはオススメできません(一応、R-15)。

最後に余談として。
本文の冒頭で引用したのはB’zの『イチブトゼンブ』の歌詞。『KARA・KARA』と迷ったんですけどね。どちらも“しがない男”の叫びの歌。本作の根底に流れているものと同じなのです。
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