あちゃみ

嘆きのピエタのあちゃみのネタバレレビュー・内容・結末

嘆きのピエタ(2012年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

気分をどん底まで沈めたいときにおすすめの映画。冒頭から主人公が夢精してるので誰かと見ると気まずいかも。ここも主人公の幼児性と愛に飢えてるところを表しているのかな。
タイトルから宗教色つよい。愛を知らない冷徹な男があっさりと絆されるのは逆にリアルかも。自分の体のどこかしらの肉?を食べさせるのと夢精手伝うのあんまりよく分からんけどそこも宗教的なメタファーなのかも。復讐目的だったミソンが多少なりともガンドに同情してたところが胸痛かった。母を探して自分が怪我させた債務者のところに訪れて罵倒される罰もラストの死に方も考えさせられる。落ち込むけど心に残る映画。

あらすじ
取り立て屋のガンドは消費者金融から借金をして返済できない債務者に怪我をさせ、保険金を回収していた。工場を経営する男のもとにガンドが訪れ、妻が返済を待ってくれるように頼むが取り立てに来たガンドに返済を待ってくれないかと頼むがそんなことには歯牙にも掛けず、男の腕を切り落とし、妻に乱暴する。
取り立てを終え、鶏を持ち帰るガンドを付ける怪しい女。ガンドが家で食事をしていると、突然やってきた女(ミソン)が無理矢理部屋に入ってくる。無言で部屋を片付け始めるミソンを追い出したが、その日から付きまとわれるようになる。ガンドの取り立てについてきたミソンは、ガンドを捨てたことを許してほしいと謝る。ミソンは自分が生まれたばかりのガンドを捨てたせいで、ガンドが非道な大人になってしまったと泣く。ミソンが買ってきた生きた鰻には、ミソンの連絡先が書かれたタグが付いていた。酔っぱらったガンドがミソンに電話を掛けると、ミソンは子守唄を歌い始める。その歌声が部屋の外から聞こえてくることに気が付いたガンドは、ミソンを部屋に上げる。ミソンに抱きしめられたガンドだったが、ミソンが母親だと信じられずに突き飛ばしてしまう。
朝。ミソンが作った朝食を一口も食べずに取り立てに向かったガンド。そこで若い父親から追加で借金をしたいと言われる。子供を育てるために両手を切断して借金をすると言う男の気持ちを羨ましく思ったガンドは、何もせずに保険金請求書を置いてその場を立ち去る。
ミソンのために服を買ったガンドが帰宅すると、ミソンは編み物をしていた。ガンドが買ってきた服を着て嬉しそうにするミソン。今まで何をしていたのかと尋ねるガンドだったが、ミソンは何も答えずに泣くだけだった。
取り立てから帰ってきたガンドは、ミソンが1人の時に知らない人が部屋に来たらドアを開けないように伝える。それを聞いたミソンは、一緒に出掛けないかとガンドを誘う。2人は食事や買い物を楽しんでいたが、ガンドに足の骨を折られた債務者の男が2人を見つけてしまう。
ガンドの家を突き止めた男は部屋に帰ろうとするミソンを人質に取り、ガンドに油を被れと脅し始める。ガンドを焼き殺すと脅迫をする男だったが、ガンドが投げたナイフが胸に刺さりそのまま逃げていく。ガンドが出掛けようとすると、ミソンから今日がガンドの誕生日だと言われる。ミソンは一緒にお祝いをしようとガンドに言う。ミソンが編んでいたセーターを自分へのプレゼントにしては小さいと言うガンドから、ミソンはセーターを奪い取る。
ミソンと誕生日を過ごすことを楽しみにしていたガンドは、ケーキを買って帰宅する。ミソンは部屋におらず、携帯を置いたままどこかに行っていた。借金の取り立てをやめたガンドは消費者金融の社長がミソンを連れ去ったと思い、謝りに行く。しかし、それはガンドの勘違いだった。ミソンを心配していたガンドは、部屋に帰ってきたミソンに怒る。ミソンは謝り、ガンドの誕生日を祝い始める。ロウソクの火を吹き消したガンドに、ミソンは木を植えてほしいとお願いをする。松の木を植えたガンドに、ミソンは自分が死んだらここに埋めてほしいと頼む。ある日、ミソンは自分でドアを叩きながら誰かが部屋に来たとガンドに電話を掛ける。ミソンは自分で部屋を荒らしながら叫び、ガンドに助けを求める。ガンドは急いで部屋に帰るが、ミソンはもういなかった。自分に恨みを持つ債務者がミソンを連れ去ったと思ったガンドは、名簿に載っている住所に赴きミソンを探し始める。ガンドは閉鎖されたはずの工場のシャッターが開いていることに気が付く。作業スペースに置かれていた日記に目を通したガンドは、債務者が母に向けた言葉を読んで自分の行いを悔やみ始める。債務者が使っていた車いすに座ったガンドは、泣きながら眠ってしまう。
母親に成りすましたミソンは、目の前で家族が死ぬ辛さをガンドに思い知らせようとしていた。呼び出されたガンドがビルの下に現れると、ミソンは後ろから誰かに脅されているふりをする。ガンドはミソンの代わりに死ぬと言い命乞いをするが、ミソンはそのまま飛び降りる。ミソンが死んだことを悲しむガンドは、ミソンの言葉を思い出し松の木の下を掘り始める。すると、ミソンが編んだセーターを着た男性の遺体があった。ミソンの復讐に気が付いたガンドは、2人を埋めた後にそのセーターを着てフンチョルとミョンジャ(冒頭の債務者の夫婦)のもとへ向かう。
ミョンジャは何も知らずに運転し始めるが、車の下にはガンドの体が括りつけられていた。ガンドはそのまま、車に引きずられていく。
あちゃみ

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