嘆きのピエタのネタバレレビュー・内容・結末

「嘆きのピエタ」に投稿されたネタバレ・内容・結末

冷血だった男の変化、女が隠していた秘密に息を飲んだ。静かで恐ろしく、そして悲しい映画だった。
感情の揺れ動く場面のカメラワークが独特で、最初なれなかったけど最後になるにつれてしっくりきた。
非道な借金取りの贖罪の人生の物語。
相変わらずのエグい描写に心が痛むシーンは多々ある。
障害者にすることで保険金で借金返させるとか、ウシジマくんの上位互換かと突っ込みたくなる。

にしても、突然現れた母親は一体なんなんだ?
なんでこんなにも主人公は母親という話を受け入れるのだ?
と思って進んだ先には、実はこの母親の復讐の物語がメインだったことにゾッとさせられる。
どこまでも容赦がない。
自分の死をかけてでも一番精神的にくる復讐の仕方。
本当の息子の死体を見つけた時、主人公は母親ではないことに気付いて絶望したのだろうか?

ラストの市中引き摺り回しの画はあまりにも痛々しく、ただどこか美しさすら感じてしまった。
キム・ギドクの新たな一面をもった一本だと思う。
天涯孤独の主人公。愛を知らない彼は、ヤミ金の取立屋として、貸し金に暴利をかけては債務者を障害者にしてその保険金を搾取するという、悪魔のような所業を続けていた。ある日彼の元に、母親だと名乗る人物が現れる。訝しむ彼だったが、次第に彼女を信じるようになり、やがて彼女のことを母として深く愛するようになる。しかし程なくして、彼女は姿を消してしまう。自分に恨みを持つ過去の債務者の誰かの仕業だと考えた彼は、彼等のもとを一人ずつ訪ねて母を捜索するが、その過程で、自分がいかに、家族を持つ人々に深い悲しみを与えてきたかということを痛感する。

この母だと名乗る人物は、本当は母などではなく、過去に主人公に障害者にされ、自害してしまった債務者の母だった。彼女は主人公に家族への愛(つまり自分への愛)を学ばせ、その上で、目の前でその家族を失わせる(つまり自分が誰かに殺されたかのようにみせる)ことで、主人公に復習を果たそうとしていたのだった。しかし、主人公との奇妙な共同生活の中で、家族の愛を知らずに育ち、そして初めてそれを知った彼に、計画を敢行することへの躊躇いを感じるようになる。

結局、母は復讐を敢行する。悲しみにくれる主人公は、母に生前頼まれた通り、松の木の下に彼女の遺体を埋めようとする。ところが穴を掘り進めていくと、母が家でずっと編んでいたセーターを来た男の死体が出てきた。全てを理解した彼は、債務者の一人の自動車の下に忍び込み、自ら『引き摺り回しの罰』を受ける。

***

という様なストーリーであるが、序盤胸糞悪いシーン続きでちょっと辛い(直接的な描写ではないが)。暴力、レイプ、カニバリズム、女性の悲鳴…。また、いくら主人公が家族の愛に触れたからといって、ちょっと急に性格丸くなりすぎじゃない???という気もする。

息子のために両手を切って金に換えてくれと言っていた青年は、主人公には家族のために身を犠牲にする聖人のように見えたようだが、個人的には少々、狂気じみていて怖いよ!と思った。

カニバリズム(的)なシーンが2度あって印象深い。一つは、主人公が母に自分の肉を差し出し食べさせるシーン。もう一つは、母が自分の分身としてうなぎを置いていき、主人公が母を家に泊めた翌朝、母がそのうなぎを調理して食べるシーン。うなぎを母が食べるのは、母本人が迎え入れられて、もはや分身としてのうなぎが必要なくなったから?一つ目はよくわからん。
またカニバリズムではないが、主人公が生きた鶏やら兎やら調達して自分で調理して食べるところは、他者から搾取する人間という表現か(母と暮らすようになってからは魚を動物ではなく魚を調理している)。
母は兎(搾取される人間の象徴)を逃がすが、兎は自動車に轢かれて死んでしまう。ヤミ金に頼らなければ生きていけなかった債務者達の弱々しさを示しているようでもある。

日本でも『ヤミ金牛島くん』とか『土竜の唄』とか、あと『外道の歌』とか、ダメな市民とそれを食い物にするやつら、みたいな作品を最近よく見る気がするけど、始まったのはこの映画と同じくらいの時期だろうか?
思ったより観やすかった。
しんどいけど。
最後ヤバすぎ。
山を映してたのは視野が広くなったってことなんかなぁ。
それとも囲まれた小さな世界とかなんかなぁ。わからんけど。
オカン美人過ぎ。
息子を殺されたのに息子のように情がうつる感覚。
あの高さやと死ねないって言ってたのに死のうと思えば死ねるんやなぁ。
清渓川がなくなるって言ってたからあの松の木も埋められるんかなぁ。
何もかもいずれ死ぬし埋もれていくし。
オカンとの思い出を取り戻そうとしていく過程が切ない。
ふとした笑顔がしんどかった。
ポスターが良いです。ミケランジェロのピエタをそのまま作中の登場人物に置き換えた秀逸なショット、不気味ながらおしゃれです。

天涯孤独の借金取り立て屋ガンドの元に突然現れた産みの母親。母親としての証拠は何一つないのに、ガンドは信じてしまいます。借金が返せなくて障害者になった男が母親を人質にしてガンドの家に押し寄せるシーン、男が逃げ去った後に追いかけようとするガンドを制止する母親。いやいやいやいや、逃したら報復でしょうが。ここで疑惑から確信に変わりましたね。そしたら、案の定冒頭の青年の母親ということで、つまりは復讐だったんですが、わりかし中盤あたりでわざと正体を明かす作りになっていたので、あまりそこは気にせず見てしまいました。

気になったのが、やはりカメラワーク。中盤あたり、厳密にはガンドが母親を犯すあたりでカメラワークが不自然になっていきました。ドキュメンタリーを意識したような不自然なズームと揺れる画面。初キム・ギドクなので、これが特徴なのかは判別できませんが、面白いと思いました。今作の序盤を見て最初に思ったのが、映像の質。とても良い機材を使った映像とは思えません。調べてみると、監督の自費製作らしくキャスト、スタッフは興行収入に応じた出来高払いということで、なかなか国際的な監督としては珍しい制作背景です(基本的に映画監督が映画だけで食えるのも珍しいですが)。それもあってなのか、映像の質が芳しくないわけで、そうなると問われるのは脚本の質と監督のセンス、力量です。結果的にはヴェネチア国際映画祭金獅子賞ですから、素晴らしいの一言に尽きますね。

これをもっと若い監督がやっていたら、日本は危なかったですよ。この身分であまり言うのもあれですが、言ってしまえば日本の若い才能は、苗として土に埋められ、肥料として良質な糞土を与えられたにもかかわらず、水にこだわるから栽培主は放ったらかしにしてしまう、こんな状況です。支援が無いのも問題ですが、育とうともしない植物は一生育ちません。日の目を見ようなどとは思わずに人任せで育とうとしています。自己への戒めも含めですが、才能一つで自分自身の将来はどうにでもなります。あとはその行動力と勇気次第です。
ラストの映像が
あまりにも哀しくてあまりにも美しくて、
なんとも表現し難い気持ちになりました。

ただ殺すだけでは物足りない。
人を愛する気持ちを芽生えさせたうえで、その愛する者が目の前で死ぬ。
自分が味わったままを味合わせるという壮絶な復讐。

その一方でどうしても芽生えてしまう母性。
そんな復讐心と揺れ動く親の愛。

親の愛に目覚めた息子が今までを取り戻すように甘え出すシーン、
ボロい町や鶏、全てにおいて陰鬱で不穏な空気が流れていて、
それがたまらなく好きでした。

生理的に気持ち悪いなあと感じたり、
あまりに身勝手な債務者たちにイライラしたりもあるんですけど、
ラストの景色が全てを飲み込んでくれました。
自殺した債務者の母が、主人公の母になりすまして、贖罪させるまで自作自演するという行動心理はスッゴイ回りくどいは復習、なんでそんなことするねんって思うんやけど、あの母は散々懺悔させてやりたいって反面、ピエタの言葉面通り母性のような憐れみ、寄り添う心があったと思う(パッケージからしても)、クソッタレ人間にも寄り添う女性の擦り切れるような存在感が切ない。

母、女性を憎悪していた主人公が、母に執着するようになって、最終的に女に粛清されるという、
サマリアの次に見たこの映画、
また女性が献身的であって、受難してる。この監督なりの、見返りなく献身与えてくれる女性、特に母親への憐れみ、慈しみの表現だなと思いました。
心ない債権回収者
突然現れる謎の女性
驚きのラスト!

ちょー好みの設定
だったけど
何かねぇ〜

いい感じだっただけに
とても惜しい
素晴らしい作品には違いないのだが、母親と名乗る謎の女が現れ→すぐには信じず→冷たくあしらって→女のことを母親だと思い始めて→→→ここから気持ちが通じ合っていくところの描写が物足りない。
この部分をもう少し厚く描いてあったなら、ラストの女が死ぬ間際に叫ぶ台詞や男の取り乱した様子がより感動的になっただろう。
母親だと言われてから心許すまでが早すぎてちょっと違和感あり。

主人公はただの借金取りであって、その上に指示をしているボスがいるはずなのに、主人公だけを悪魔だの百回殺したいだの罵る人達。
恨む対象がいないと気持ちの行き先がないのだとは思うけど、あまりにも思考停止ではないかしら…
とかいろいろ考えたけど、まとまらないので一旦おわり。
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