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ビトレイヤーのkotchanのレビュー・感想・評価

ビトレイヤー(2013年製作の映画)
3.0
悪くはない。だがしかし、良くもない 笑。

ジェームズ・マカヴォイの熱血刑事は確かにアツイし、最近よく見かけるマーク・ストロングの大物犯罪者も渋〜くて存在感抜群。動と静の対比構図はとても良い。
冒頭の車とバイクのチェイスシーンと2人の因縁を決定付ける初対決の場面は、「おっ!」と思わせ期待値をグンと跳ね上げてくれます。
イギリスを舞台としたクライムサスペンスですが、時折映るイギリスの街はどういうわけか近未来都市のように見え、これも不思議な感覚に落とし込んでくれます。

だがしかし、悲しいことに前半辺りが今作のピークで、その後の展開は可もなく不可もなく、退屈ではないけどコンパクトにまとまりすぎた印象。
マカヴォイとマーク・ストロングのキャラも悪くはないんですが、バックボーンの掘り下げが足りなくて今ひとつのめり込めず。
ホテルの一室やバー、ラストのコンテナ倉庫での銃撃戦もひとつひとつは悪くないのですが、全体として観るとややボヤけてしまい迫力に欠ける。

"刑事と犯罪者"
2人の関係もストーリーの流れからすれば「うん、そうなるよね。」って思えてしまうくらいに意外性はありません。
サスペンス色を強めに描くかアクションに特化するか、思い切った針の振れ方があっても良さそうですが、良い意味でクセがなく平均的な作品に仕上がってしまったのは心底残念ですね。

"刑事と殺し屋"を扱ったジョン・ウー監督作『狼/男たちの挽歌・最終章』は香港ノワールの傑作のひとつだと個人的には思っていますが、この作品のようにゴリゴリアツアツな男の友情物語(変な意味ではない)でも良かったかな〜
そっちの方がタイプですね(意味深‥) 笑
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