共喰いのNobuhisaTakasakiのネタバレレビュー・内容・結末

腐りかけの淀んだ世界観は好きだった。血の繋がりというのはここまで強固で切っても切れないものなのか。考えようによっちゃどーでもいいことだけど、やはりなんだかんだ家族なんだよなぁとも思う。見終わったあとにスッキリしないのは、最近よくある奇をてらった映画のように主人公が猛烈な復讐をする訳でなく、母親が父親を殺すところに息子が遠くから眺めるだけという描写によるものだ。どちらがいいとかではないが、この作品はこの歯痒さが合ってる。この歯痒さのもとでしっかりと最後まで観れるのは、演者の力も大きい。ただ逆に、これだ！という見せ場がある訳ではないので、好き嫌いはかなり分かれそう。
淀んだ川、鰻、鳥居、瓶のコーラ、魚捌き用の義手。物語の随所に現れるこれらのアイテムの使い方が上手かった。こういうアイテムを使って暗喩する手法は自分もやってみたい。