孤独で純粋で繊細で、不器用で世間知らずでそのくせ気位ばかり高くて、救いようもなくロマンチストで、誰も彼も片想いしかできなくて、けだし武術家とは面倒な人種である…という、「ジャンル:グランドマスター」が私の中で誕生した瞬間。
本作を観るまでは、ウォン・カーウァイ映画はどれも美的な面では掛け値なしに素晴らしいけれど劇中の情動や機微が何ひとつピンと来ない…と思っていたのだが、これは大好きな物語だった。
トニー・レオンの黒い飴玉のような瞳も、白薔薇のチャン・チェンも良かったけど、これは間違いなくチャン・ツィイーの映画。「我就是天意」かっこよすぎた。
初見時はソン・ヘギョさんのことも知らなかったし、近々また観返してみたい。