Baad

容疑者X 天才数学者のアリバイのBaadのレビュー・感想・評価

3.3
続けて韓国版も見ました。

これは登場人物がグッと若くなって、その分登場人物の心理に寄り添った丁寧な脚本。主人公の数学教師があれっ?というような行動をするのも若さから来る未熟さとして納得しやすく、嫌悪感は日本版より少なめでした。
でもって予算が少ないのか、ちょてとチープな印象もあり、人物描写がちょっと日本のテレビサスペンスぽかった。

関係のない第三者を巻き込んだ殺人についての社会的な見方も違うのかな?(これがあるかぎり犯人と数学教師にはいくら脚本が丁寧でも小説では許されても娯楽映画であるかぎり感情移入はむずかしいですね。)

ただ、主人公とヒロインの距離の近付きかた、遠のき方の描写が丁寧でさりげなくて、その辺は見ていて少しだけ救われた感じです。

インド版は娯楽映画として完璧な脚本でしたが、後発ほど穴がわかるので脚本でうまく塞いであるのかなあ、と思いました。あと人権意識が世界的に高まっている影響もあるのかな?

この韓国版も、研究を継続している数学者とは思えないメンタリティーのくたびれた数学教師の堤さんが訳のわからない行動をして、それに松雪さんが負い目を感じるというシラフでは理解不能な日本版の話よりは幾分かは飲み込みやすい脚本で良かったです。
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