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ワイルド・スピード EURO MISSIONのsanbonのレビュー・感想・評価

3.6
"メロドラマ"にも水を差さずに付き合ってくれる「優しい世界」それが「ワイルドスピード」

ワイルドスピードシリーズは「MEGAMAX」から、とんと観なくなっていた。

というか、MEGAMAXまではTV放映も頻繁に行われていたので、いつの間にかTVでいいやと思うようになっていた。

そしたら、待てど暮らせどMEGAMAXばかりが擦られまくるばかりで、気付けば早10年近くそれ以降の作品を観る事なく今日まで時間が経っていた。

それまでに一体何回「ドミニク」と「ブライアン」は車ごと橋から飛び降りた事やら。

しかも、新作「スーパーコンボ」の主役が気付けばドミニクですら無くなっているのを観て、なにがあったんだ?と、ようやく重い腰を上げて今作を鑑賞する事に相成った。

そうそう、ワイスピってこんな感じだった。

前科を抹消する赦免を毎回餌に、危険な捜査に参加させられたり、なんかアクションばっかりに目が行きすぎて、一体何の為に戦ってる場面なのかがよく分からなくなったりする感じ懐かしい!

あー、思い出した。

場面転換が起きる度に展開がよく分からなくなったり、主人公サイドも決して善良な存在ではないところに妙なきな臭さを感じてしまったり、悪党がファミリーと言っているのを聞くと妙な小並感があったりして、あまりハマれずTVでもいいやと思ったんだった。

あと、4作以上続くシリーズものには、謎の"チープさ"を感じてしまう病気にかかってるので、現在進行形で9作(2019時点)ってやりすぎだべと、勝手にB級映画としてラベリングしていたというのもある。

それにしても、必ず車を絡めてアクションを創出するって改めて考えると凄いことだなと思った。

本来"走る"事しか想定されて造られていないものを、あの手この手で趣向を凝らしてド派手に暴れさせるのだ。

バリエーションを考えるだけでも相当な苦労であろう。

それが今回は「VS戦車」と「VS離陸直前の貨物機」に表れていた。

やっぱり皆のお目当ては、この空前絶後のカーアクションなのだろう。

僕も、これらのシーンだけは非常に楽しくアドレナリン全開で観ていた。

逆に、それ以外のドラマパートはちっとも面白くなかった。

説明的なシーンを次々と繋げただけのような展開が続き、野蛮なやりとりなどで取り繕ってはいるが"遊び"が全然感じられなかった。

また、記憶喪失の「レティ」に会う為にストリートのカーレースにドミニクが参戦するシーン。

まず敵も味方も自由過ぎじゃね?

国家の存亡を賭けた大捕物の最中だったよね?

都合よく大ボスが単身で姿現したよ?

しかも狙撃まで出来る絶好のチャンスじゃん!

そんな悠長にイチャコラしてるの遠巻きに眺めてる場合じゃなくね?

てか、レティもほぼ懐柔出来てたし、あそこで攻勢に出てたらめっちゃ手っ取り早かったろ。

と、まあ「ゴジラ:キングオブモンスターズ」のような"怪獣パート最高"、"人間パートクソ"みたいな感覚で観ていたのだが、怪獣は好きだけど車にはそんなに興味のない僕には"カーアクション最高"だけでは、そこまでノレなかったというのが本音。

つまらないとは言わないが、このシリーズってやたらと評価高くないか?

やっぱり連続ものを前作までの記憶がほぼ無い状態で観たのが失敗だったのだろうか。

ただ、エンドクレジット後の映像がめっちゃ気になる終わり方をしたので、次は結構楽しみだ。
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