監督ジャスティン・カーゼル＋脚本ショーン・グラントの第1作。実際の事件に想を得て加害者側から再構築するという、後に『ニトラム』を生む原型が見える。
何よりも怖かったのは、有名俳優が誰一人いないことで本人達に見えてしまったこと。一味に撮影好きな奴がいて、無表情で（ニヤニヤしながら、かもしれない）撮った映像を見せられたような後味の悪さが残る。
映像作品として質は高いと思う。俳優の演技力もあるし、ドキュメントタッチの映像もセンスを感じる。時折挿入される遠景、不安を誘う音楽も効果的。
ただ、事件の詳細を読んでしまったせいで（かなりエグイ…）評価は出せそうにない。作品そのもので評価して欲しい製作サイドにとっては迷惑な話だろうけど。
