マルケス

レディ・マクベスのマルケスのレビュー・感想・評価

レディ・マクベス(2016年製作の映画)
3.5
19世紀の英国。女性に人権などなく、要求されるのは従順で貞淑な妻でいること、跡継ぎを産むこと。キャサリンは冷酷な舅から外出も止められ、まるで幽閉のような日々。

キリキリと締めつけていたコルセットを脱ぎ捨てるように、セバスチャンとの愛欲に溺れるキャサリン。
彼女は望むものを手に入れる為に、一人、また一人と邪魔者を排除していく。お腹の子を跡継ぎにするために継子を手に掛けるのは古典劇の定石だ。

アナへの仕打ちは保身だけでなく、嫉妬からの復讐に思える。エゴイズムに満ちた愛と復讐心がキャサリンを悪女に変貌させたのだろう。
ほぼ劇伴がないのに、最後の最後であの効果音。極上のホラーでもあった。

スクリーンを支配するフローレンス・ピュー。当時20才で映画初主演とは思えない存在感。逸材には必ず光が当たるんだなあ、と。
マルケス

マルケス