マルケス

トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャングのマルケスのレビュー・感想・評価

3.0
監督カーゼル+脚本グラントの作品としては思いのほか見やすかった。
ネッド・ケリーと彼が率いるケリーギャングは19世紀に実在し、伝説化した義賊。

彼らが貧困の中で育つ少年時代は見応えがあった。イギリスの流刑地だった歴史や、イギリス人とアイルランド人の関係性が物語に奥行きを加える。

それに比してギャング時代は精彩を欠いていた。人間描写を得意とする盟友コンビだが、本や映画になったヒーローを解体し、生身の人間に落とし込むのは無理があったのかな。

カーゼル監督作で記憶に残るものに風景の力強さがある。立ち枯れた木だらけの原野を馬が疾走するシーンは、有無を言わさぬ映像力。
マルケス

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