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海がきこえるのcyphのレビュー・感想・評価

海がきこえる(1993年製作の映画)
3.4
思ったより覚えてなかった あまりにもハルヒ(に代表されるキャラクター群)すぎる、と思ってしまうけど逆だな 当時あまり意識してなかったけどいいなと思うのぜんぶ松野のとこだった 2人きりの説明会でこいつは10年20年先のことを考えてるんだ、すごいな と高知の青年が感激するのたまらなくないですか?電話を引っ張って実家の薄暗い廊下で座りこんで電話をする相手も松野 東京なら京都なら1時間でどこまで行ける、という話をしたあと海を見ながら1時間過ごす相手も松野 『男同士の絆』を持ち出すまでもなくリカコルートに見せかけた松野ルートのお話だね 松野が京都に進学するのも解釈一致で苦しかった

自室の窓の向こうが一面の海なのとか、同窓生とほろ酔い気分でシャッターの閉まり切った夜の明るいアーケード商店街を歩いていく心地とか、お城のライトアップをいろんな年代に違う気持ちで見上げるのとか、初めて触れる東京がやけにビビッドで遠く感じるのとか、地方都市で育った子にしかない感覚で羨ましかった リカコとの関係は別に羨ましくない、わたしたち年を経るうちにリカコ的な人物への抗体がどんどん強力になっていってそうした嵐みたいな人間に感情のキャパを裂けなくなっている 時代の変化でもあると思う あたり期待せずテレビで流れるのをぼうっと見ていたら最後のホームのシーンでわあってなる くらいがちょうどいい軽量級作品
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