まーしー

イノセント・ガーデンのまーしーのレビュー・感想・評価

イノセント・ガーデン(2013年製作の映画)
3.0
突然の事故で父親を失った一家のもとに、付き合いのなかった叔父が突然現れ、同居生活をすることに……。それ以降、原因不明の事件が相次ぐ……というサスペンス。

一家の娘インディア役にミア・ワシコウスカ、母親エヴィ役にニコール・キッドマンという豪華な顔ぶれ。
ミアが登場する冒頭シーン。陽光と草に囲まれた風景と一時停止などの映像手法が特徴的。どこか明るい雰囲気が漂う。
このシーン、エンディングにも登場。しかし、実は明るさを伴うものではなかったので、衝撃を受けた。

作品全体に終始ミステリアスな雰囲気が漂っている。
そもそも、娘インディアが謎めいている。学校では友人のいない変わり者。まるで何か内に秘めたものを持ち合わせているかのよう。
突然登場する叔父も怪しい。そんな叔父に対して、未亡人の身ながら乙女になる母エヴィの節操のなさにも共感できない。
何かと怪しい一家であるが故に、身の周りに異変が起きても不思議ではない。

ただ、豪華キャストを擁した割には、特別なスリルや驚きがなかったのが正直なところ。
登場人物の少なさ故、相次ぐ事件の犯人は容易に想像がつく。
では、その動機はと言えば……こちらも驚きは少なかった。
結局のところ、一番のインパクトは、冒頭シーンを見事にミスリードした演出ぐらいだろう。

本作から読み取れるメッセージは「血は争えない」ということ。
オカルト色や宗教色を出さず、比較的リアルな路線で描かれたサスペンス映画だった。
『オールド・ボーイ』のパク・チャヌク監督だけに、少し期待値を上げ過ぎたのかも。